コミュ障のツーリング
30代の頃、夏になると北海道にキャンプツーリングに出かけていた。
人と絡むことが好きではない人間にとって、北海道は魅力的な場所がたくさんある。
美しい自然。雄大な景色。
釧路湿原を、ただただぼーっと眺めて1時間くらい過ごす。
人はいない直線道路をひたすら走る。
離島にわたってゆっくりと島を回る。
夜は、人がいないキャンプ場にテントを張り、夜空を眺めながら一人食事を摂る。
至福の時間を過ごすことができたなぁ。
そして、当時はまだ色々な回り方をしている人がたくさんいた。
「二輪で北海道一周中」というのぼりを立てたリアカーをひいて回っている人。
今日の晩飯に、といって海岸に落ちていた昆布を荷台に括り付け、なびかせながら走っているチャリダー。
「僕の仕事は旅人」と真顔で言っていたお兄ちゃん。
愛すべき「おバカ」が自分も含めてたくさんいたことが何より安心できた部分もあった。
次第に仕事が忙しくなり、北海道に行けなくなり、気が付いたらずいぶんと足が遠のいてしまった。
機会があれば、是非もう一度行ってみたい。テントを積んだバイクで北海道に。